(2022.5.23時点の情報です)

私が思うUPSの導入メリットは次のとおりです。
  • 停電時にはUPSの接続機器に対してバッテリにより一定時間電気を供給します。その間、サーバに対して信号を送り、サーバに導入した専用ソフトウェアが安全にシャットダウンさせます。
  • 同様に瞬間的な停電でもUPSの接続機器に対して電気供給に影響を及ぼしません。システムによっては、ネットワークが瞬間的でも途絶えてしまうとエラーになるものがあります。
  • 雷や計画停電の復電等に生じる過電圧・過電流による機器故障を間に入って防ぎます。サーバだけでなくネットワーク機器にも当てはまります。
私の職場では、ラック内のネットワーク機器のために以下のUPSを設置しています。


計画停電・法定点検等、事前に停電スケジュールが分かっている場合の対応は次のとおりです。
  1. 停電前にUPSの電源を手作業でオフにし、復電後に電源を手作業でオンにする。
  2. そのままにする。
1.の対応では、UPSの電源をオフにしたタイミングで、UPSの接続機器に流れる電気も止まります。
そして、この状態では、復電時に自動でUPSの電源がオンにはなりませんので、手作業で電源をオンにする必要があります。

2.の対応では、停電後にUPSからの放電が始まり、しばらくしてスリープモードに入ります。
スリープモードになるとUPSの接続機器に流れる電気も止まります。
その後、復電時に自動でUPSの電源がオンになり、接続機器への電気供給も再開します。

※この他、スリープモードのスケジュール指定もできるようですが、今回は割愛します。

APC社に公式チャットにて尋ねたところ、次のような回答でした。
どちらの対応でも構いませんが、バッテリの劣化状態によっては、2.の対応時に自動でUPSの電源がオンにならなかったり、最悪手動でオンにもならない可能性は否定できません。
その場合はバッテリの交換となります。
バッテリの寿命は、推奨環境下で約4~5年で、経年するほど電源オンにならない可能性は上がります。
可能であれば、1.の対応をお勧めします。
今回、計画停電を行うにあたり、UPSは「商用運転・グリーンモード」で満4年ほど使っていましたが、バッテリ状態を調べると「良好」とあったため、2.の対応を行いました。

停電時間は午前9時~午前11時の2時間でしたが、復電後問題なく自動で電源オン、ネットワーク機器も稼働していました。
午後2時頃には、UPSのバッテリ残量も100%まで回復していました。

なお、仮に電力需要の逼迫から毎日計画停電が実施された場合に2.の対応を行うと、あっという間にバッテリが消耗するのでオススメはできませんが、年1回程度であれば問題ないと判断しています。
もしものときの動作確認にもなっています。
うまく動作しなければ、寿命だったということかと思います。

一応、メーカーとして一番望ましいのは1.の対応ではあるようなので、2.の対応をする場合は電源オンにならなかった場合のリスクを考慮した上で実施してください。

以上、参考になれば幸いです。